『ノエイン』DVDブックレット担当の廣田恵介です。


いつもいつも『ノエイン』のビデオを見返しては原画を選び、限られた紙面に収めるため、どなたが見ても分かりやすい構成にするため、泣く泣く枚数を減らして掲載してきました。
ところが、第7巻の映像特典NOEIN ART EDITIONを見てビックリ。なんと、『ノエイン』の中でも選りすぐりの名シーンの「原画」と「動画」を動いた状態で見られるんです! いいですか、“カット”じゃなくて“シーン”ですよ? とてもブックレットに掲載できる量じゃありませんよ!


原画を撮影したものを「原撮」、動画を撮影したものを「動撮」といいまして、これらは主にアフレコ時に使うための“間に合わせテク”でした。が、たいていは原画も動画もアフレコに間に合わないのがアニメ界では通例です。ということは、今回の映像特典は、新たに原画・動画を掘り起こしてきて、タイムシートに合わせて撮影し直したものなんですよ! まず、それだけでも貴重。どこまでが手描きでどこまでがCGかも良く分かるし、レイアウトに●●を使っていたという新事実も…え、ここまで描いていたの?と今更ながら目からウロコですよ。この特典映像を赤根監督自ら構成・監修したというのもスゴイ! 普通、ここまでやりません!

 

↑原画

 

↑動画

 

やっぱり、『ノエイン』の作画というのは尋常じゃないんです。絵コンテでは2カットに分かれているはずのシーンが作画の力量で1カットなっていたり、コンテになかったカットが完成映像では沢山ある(笑)。原画マンの方たちをそうまで駆り立てる“何か”が、明らかにこの作品にはある。DVDが完結したから作品も終わり、なんてとんでもない! 『ノエイン』は“残る”作品です。同じ原画マンに十年後、「また『ノエイン』みたいな絵を描いてよ」と頼んでも、描けるとは限りません。その人の旬の仕事は、作品の中で生き続けるんです。

『ノエイン』は、彼らの仕事を“生かす”作品であった、それは間違いありません。今回の映像特典を見て、“作品の持つ力”というものに改めて気づかされました。

 

もちろん、ブックレットも頑張りましたので、本編ともどもよろしくお願いします!

 

↑おまけ。