(注) 本記事は第9話のストーリーに触れていますので、

視聴前or視聴後に読んで頂くかは皆様にお任せします!

 

驚いたでしょう、真昼間からワインが出てきて(真昼間というか、なんと朝9時55分……)。


だけど、第一話でのハルカのママ(明日香)の言動を覚えていた僕は、「さすがは明日香ママ!」とヒザを打ったのでした。世間の常識に縛られず、細かいことは気にしない。仕事がフリーランスの絵本作家だというところも素敵ポイントです。今回は「勝手に東京の美大に行った」ことが判明しましたが、「あ〜なるほど!」と納得。


明日香ママ、第一話の初登場からして、仕事机の前で抱き枕かかえて寝てますからね。枕もとには読みかけの本、ゴミ箱からはゴミがあふれちゃってるし……今回の第9話では、そんな様子を見た美有樹が眉をしかめます。なんとまあ、対照的な母親なんでしょう。このエピソードは、美有樹が屈折した愛情から抜け出すお話ですが、僕は明日香という人にあらためて惚れてしまうのです。

 

 

 「ぜんぜん変わらないのね」と美有樹が責めると、明日香は「そんなに若々しい?」とボケます。でも、これは天然ボケじゃないですね。場を和ませるためにボケてるんですよ。マイペースなようでいて、ちゃんと相手のことを考えてます。ワインを持ち出してきたのも今の美有樹に必要だと思ったからじゃないかな? でも、そんなこと口に出さない。「これ、おいしいのよ」としか言わない……ね、いい人でしょう?


 でも、明日香ママの本当に偉大なところは、こういう気づかいを自然に、反射的にこなしてしまうところなのかも知れません(だとしたら、結局は天然ボケ?)。こういうお母さんに育てられたハルカが異常に適応能力高いのも、すごくよく分かる話ですよね。

 

 

人間にはいろんな生き方があるけれど、周囲に迷惑をかけながら我をとおすのと、やんわりと理解を得ながら自由に生きているのとでは、同じ「マイペース」でもぜんぜん違うんだなぁ……と、明日香ママを見ていてあらためて身につまされるのです。フリーライターの廣田恵介でした。